ウィル・スミス「壇上ビンタ事件」も旦那様としては男前!?

2022年3月27日(現地時間)に開催された米アカデミー賞 2022。村上春樹さんの原作小説を基にした日本映画「ドライブ・マイ・カー」が国際長編映画賞を受賞したことで話題を呼びました。

そしてもう1つ、俳優・ウィル・スミスさんがコメディアンのクリス・ロックさんをビンタしたことも大きな注目を集めましたよね。一夜にして世界中に広がり、いまだ論争が続いているこの事件。本記事では、ウィル・スミスさんの壇上ビンタ事件と経緯について振り返りたいと思います。

ウィル・スミスの「壇上ビンタ事件」とは

アカデミー賞 で俳優のウィルスミスさんが、長編ドキュメンタリー部門のプレゼンターとして登場したコメディアンのクリス・ロックさんをビンタしました。

きっかけ

きっかけはクリス・ロックさんが、ウィル・スミスさんの妻・ジェイダさんに対して、ジョークを飛ばしたことです。「『G.I.ジェーン』の続編への出演、楽しみにしているよ」というジョーク。この映画の主人公は、海軍特殊部隊に所属する女性将校。主演を務めたデミ・ムーアさんが髪を短く刈り上げて出演しました。現在、ジェイダさんの髪型は非常に短い髪型で、それをネタにしたものでした。

いきさつ

妻が険しい表情をしていることに気づいたウィル・スミスさんは壇上に上がって平手打ちをしました。「冗談だった」と弁明するクリス・ロックさんに「妻の名前を口にするな!」と怒鳴ったウィル・スミスさん。座席に戻った後も、放送禁止用語を用いて罵倒。会場は騒然となり、アメリカではテレビ中継が中断される事態となりました。

翌日、ウィル・スミスさんはInstagramでクリス・ロックさんへ謝罪、さらに4月1日には米映画芸術科学アカデミーから退会すると表明しました。4月8日、アカデミーがウィル・スミスさんに対して今後10年間すべてのイベントへの参加禁止という処分を下しました。

激怒に至った理由は妻への愛

ウィル・スミスさんはアカデミー賞授賞式という晴れやかな場でなぜそんなにも怒りを露わにしたのでしょうか。それは、ジョークに使われた妻・ジェイドさんの髪型が脱毛症によるものだったからです。彼女は病気による脱毛症であることを公表しており、自身の番組でもその詳細について語っています。病気で苦しむ姿を支えてきたからこそ、クリス・ロックさんのジョークが許せなかったのではないかと考えられます。

事件後、ウィル・スミスさんは「先ほどの行為(ビンタ)は愛により起きたものである。愛は人をクレイジーにもさせる」と語っています。愛する妻を公の場所で侮辱されたことによる怒りであったと言えるでしょう。

日本と海外の見解の違い

世界中が震撼したこのニュース。日本ではウィル・スミスさんに対して比較的好意的な意見が多く見られますが、海外では賛否両論の意見が飛び交っています。

アメリカではクリス・ロック擁護の風潮

騒動後、ビンタされたクリス・ロックさんのイベントチケットが高騰したことからも、アメリカで彼が擁護されていることが分かります。あのような場で怒りを返さずに冷静に応じて、場を収めたことに対する賞賛の声も上がっています。

ウィル・スミスに対しては厳しい意見も

ウィル・スミスさんが批判されている理由はいくつかあります。いかなる時でも暴力は許されないということ、アカデミー賞授賞式という場所で、身体的な暴力で解決するという方法を世界中に見せてしまったことなどが挙げられます。

また、ウィル・スミスさんと妻・ジェイドさんはともにアメリカのトップスター。立場が上の者からの暴力であったという点も批判の対象となっているようです。もちろん、愛する妻を侮辱されたのだからあの行為は正当だったという意見や、旦那様として男前という賞賛も見られます。ウィル・スミスさん本人からの謝罪、アカデミーの退会や処分も下されましたが、この件に関する論争はしばらく収まりそうにありません。

クリス・ロックが訴訟を起こす可能性も!?

「CBSモーニングニュース」の中で、俳優のジム・キャリーさんがビンタ事件についてコメントしました。その内容が「私がクリス・ロックなら、訴訟を起こして2億ドルを請求する」で、話題となりました。訴訟大国とも呼ばれているアメリカ。

クリス・ロックさんが今後、ウィル・スミスさんに対して訴訟を起こすのかについても、注目が集まっています。